「いよいよ何とか場所が始まりますね!」「楽しみですね!」 といったやりとりを朝からNHKのアナウンサーがしていた。 とりわけNHKは「相撲が好き=当然」という空気を数十年かけて醸成しているので(なぜ相撲中継は他局こみで持ち回りにできないのだろうか)、さも一大イベントの開始のようだが、私の場合、実は相撲の良し悪しどころか、そもそもあの一回一回の対決(取り組みというか勝負というか試合)の見方の勘所がわかっていないのであった。 プロレスやサッカーの場合、見方を習った訳でもないのにごく自然に見て楽しめる。 ところが相撲は遠目にチラチラ見てはいても、白い肥満体と白い肥満体がグニャグニャしていて、体と体が激突した後、どちらかが倒れたり、外に出されたりする、はい終了!としか見えていないのである。その間がせいぜい十数秒から数十秒程度で、見方を学ぶ暇がない。 プロレスは「若くて、明るくて正義感が強そう」な男