李登輝氏が亡くなった。ひとつの時代の終わりを感じる。とりわけ最近の中国は動きが不穏だからよけいに危機的に感じる。 李登輝氏は司馬遼太郎氏と同じ年で親交を結んでいた。「私は22歳まで日本人だった」という言葉も有名だと思う。旧制高校から今の京都大学に進んだ。そして「民主主義の父」と呼ばれ、現在の台湾の基礎を創った人だ。2002年に慶應大学で学生相手に講演をするという噂を聞き、私も何とか会場に潜り込めないか探りを入れていたが、日本政府からビザ発行を拒否され、実現しなかった。日本に対し、特に日本の若者たちに向けて話したかったことがたくさんあっただろう。日本人が真摯に耳を傾けなければいけない貴重な指摘や忠告の数々が。 「台湾に生まれた幸福」 私達が心から敬愛する李登輝元総統がご逝去されました。李元総統は台湾の人々とともに歴史的挑戦を幾度も乗り越えてきました。台湾に民主自由を残し、今後も私達を勇気づけ