楽ばかり求める若者たち 前出の小野氏が言う。 「'80年代は日本人の年間の労働時間が2100時間くらいあり、世界の平均は1800時間程度だったので、日本人は働きすぎだとバッシングを受けました。 そこで労働省(当時)が音頭を取って、半ば強制的に年間労働時間を1800時間に近づけました。ちょうど韓国のサムスンやLGが台頭し、日本の家電産業が衰退し始める時期と重なります。 さすがに高度経済成長期のがむしゃらな働き方が人を幸せにするとは言いませんが、現状の残業時間の規制には問題が多いのもたしかです。 人生に目標を持たず、仕事は生活のための手段に過ぎず、より福利厚生が充実していて楽なほうの仕事を選ぶ若者が増えている時代において、労働時間を規制してしまえば、これからの時代が求める人材を育てるのは容易ではないでしょう」 労働者の賃金をカットし、働きたくない若者を増やす――政財官が結託して進める「働き方改