私もちょっと前に読み、特に前半の「産業革命」と「勤勉革命」の差が、その後の日本の工業化が労働集約的技術に片寄る原因になった、という指摘はその通りだと思いました。ゼロ戦や戦艦大和のように、技術水準では世界最高峰の作品を完成させながら、戦争では負けてしまう、というパターンを日本は繰り返してきたわけです。 ものづくりではなくシステム最適化を行なう「第3の科学革命」に日本が立ち後れた、という指摘にもなるほどと思いましたが、そこから先の話が深まらない。日本でも戦後はソフトウェアを学んだし、コンピュータでも一定の水準には達しました。しかし1980年代以降、決定的に取り残されてしまう。これは池尾さんの専門の金融がだめになったのと軌を一にしています。 80年代まであれほど成功した日本の電子産業が、突然だめになったのはなぜか――これは私の専門領域でも重要な問題です。ところが木村英紀氏は、その原因を「システム
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