発売当時のアーモンドグリコ。大きい方が20円、小さい方は10円だった。ただしアーモンドが高価だったため、製造コストは高くついたという。 もうすぐ2月。今年も14日のバレンタインデーには、日本全国で無数のチョコレートがやりとりされるのだろう。今回はチョコレート界のロングセラー、グリコ「アーモンドチョコレート」の話である。 グリコの創業者、江崎利一がキャラメルのグリコを発売したのは1922(大正11)年。その後33(昭和8)年にはビスコを発売し、子供向け栄養菓子の分野で順調に業績を伸ばしていた。ただ、この2商品だけでさらに売上げを伸ばすのは難しい。54(昭和29)年、利一は大人向けのグリコを作ろうと考え、開発に着手した。 味は、チーズを作るときの副産物であるホエー(牛乳のエキスのようなもの)を使ったミルク系。試作品の出来は良かったが、利一は満足できなかった。 「これでは今までのキャラメルと同じ