昨年28試合出場は自己最少。「試合に出られればどこでもいい」。出番に飢えていた。バットヘッドを走らせるため、両手を数ミリ空けてグリップを握るようにした。開幕が延期になった期間はより離して意識付けした。「不器用の一番の強みは、はまったらやり続けられること」。全試合出場の12年から、遠回りして輝きを取り戻しつつある。 “朝活”の成果もある。同学年でエースの大瀬良が今年から始めた超早出のランニングに堂林も並走するようになった。体の準備だけでなく、トレーニングや練習で取り組むことを頭の中で整理する大事な時間となった。打席の中でも「球種うんぬんというよりも、自分の打席に集中力を持ってやれている」と胸を張る。 7回まで15残塁の拙攻という重苦しい空気を一掃。佐々岡監督は「一番打ってほしいところで、最高の形で打ってくれた」と殊勲者をたたえた。堂林は3回の同点打と合わせて5打点、さらに首位打者に踊り出た。