犠牲になった従業員のひつぎに花束を供える日揮の川名浩一社長(右)ら=1月26日午後、成田空港 (c)朝日新聞社 @@写禁この記事の写真をすべて見る 日本人10人が犠牲となったアルジェリアのテロ事件。大手メディアが犠牲者の名前を報じたが、ジャーナリストの辛坊治郎氏が「犠牲者の実名報道」がなぜ必要か、本質に迫る。 * * * アルジェリアのテロ事件の犠牲者の人生、残された家族の慟哭に接し、それを伝える新聞紙面を涙で濡らした人も少なくないだろう。しかしその一方で、メディア各社が政府に犠牲者の氏名公開を求める要望書を提出したことについて、「被害者のプライバシーは守られるべきである」という批判が一部ネット上で提示され、大手メディアの中で最初に犠牲者の名前を報じた朝日新聞などに少なからぬ批判の声が寄せられた。 私は、一連の論争を聞いていて、メディアもネットの住民たちも、本質的な視点を欠いているので