二頭政権は頭が2つあるが、実は脳は1つしかなく、プーチンがすべてを牛耳っている。私もそう思っていた。だが、最近のメドベージェフの一連の発言を聞いて、必ずしもそうではないと感じるようになってきた。 まず、メドベージェフが連邦議会で発表した年次教書である。具体性は乏しい内容だったが、思想的にはプーチン主義と異なっている。 また、ベルリンの壁崩壊20周年祝祭での発言、さらにその前には、クレムリンのサイトのブログ内で「(スターリン時代の)政治粛清による犠牲者をしのぶ日」を巡る発言があった。これらの内容は明らかにプーチン主義とは合わない。 プーチンが掲げてきた愛国主義 まず歴史認識の問題である。プーチンもスターリン主義を弁護していないが、その時代の業績(大国の構築とドイツとの戦争の勝利)は評価すべきであるという雰囲気をつくり出していた。 それに対してメドベージェフはブログの中で、「国民が大きな悲劇に