建築には機能主義という言葉があります。 機能主義はモダニズム建築を代表する概念の1つで、アドルフ・ロース、オーギュスト・ペレ、バウハウスと言った名前が知られています。その次の世代としてはル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエといった名前が有名でしょう。 時代背景から考えてみます。ロースが1870年生まれでミースが1887年生まれなので、19世紀末から20世紀初頭にかけて盛り上がった言葉だと言うことが分かります。19世紀末といえば産業革命が落ち着き、自動車など市民生活に機械が入り始める時期です。フォードが、かの有名なフォード・T型を市販したのが1908年10月のこと。フォードがT型の開発でもっと注意したのがフォード・システムに見られるような大量生産に適応させた車である点です。つまり、19世紀末から20世紀初頭というのは「機械による機械の大量生産」時代の幕開けともいえる時期だったのです