本人も自分を攻める「悲しみ」 一番やってはいけないことは 暴力を振るわなくて済む環境を作る ひきこもり状態にある人が、家庭内で暴力をふるうようになったとき、家族はどうすればいいのか。東京都練馬区で元農林水産事務次官が長男を殺害したとされる事件は、改めて問題の深刻さを突きつけました。しかし、専門家は「解決策はある」と言います。20年以上ひきこもり問題に向き合い、内閣府のひきこもり支援者読本(2011年)の中で、家庭内暴力への対応についても執筆した精神科医の斎藤環(たまき)筑波大教授に暴力を収める道筋を聞き、イラストにまとめました。(朝日新聞記者・中村靖三郎) 本人も自分を攻める「悲しみ」 斎藤教授はまず暴力の背景を理解する必要性を訴えます。 暴力には「家族が刺激している暴力」と「慢性型の暴力」があります。前者は家族が本人の人格を否定したり、怠け者扱いしたりすることへの反発として起こります。
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