2021年4月9日、歴史的名作である「進撃の巨人」がその連載を終えた。それは我々にとっての大切なものの終わりであると共に、新しい日々の始まりでもあった。作者の諫山創先生にとっても、長い戦いの終わりであり、新しいなにかの始まりでもあっただろう。 作者の苦しみを知ることもない愚かな消費者である我々に、あんなおもしろい漫画を書き続けてくれた諫山先生には「本当にありがとうございました」の一言しかない。 さて、そんな「進撃の巨人」であるが、物語の完結によって「情念の物語」であったことも明らかになった。 我々を魅了してやまなかった第一話の題名「二千年後の君へ」の「君」は、エレン又は漫画読者の我々のことであろうと多くの人が考えていたと思う(もちろん私も)。しかし、実際にはミカサ・アッカーマンだった。 始祖ユミルは何故、二千年もの間ミカサを待ち続けていたのか。今回は単行本最終巻を読んですぐのフレッシュな気