フィンテック、AI、IoTなど、新しいテクノロジーが続々と登場し、私たちの生活は大きく変わろうとしています。これらの技術革新によって、生活利便性向上への期待が高まる一方で、人間の働き方も大きく変わるのではないかという懸念も生じています。そこで、テクノロジーと人間の働き方の関係性について、東京大学大学院経済学研究科の柳川範之教授にお話をお聞きしました(このインタビューは2017年8月10日に行われました)。 実は広い意味ではフィンテックは昔から存在した? ――基本的なことになりますが、フィンテック(Fintech)の定義をお聞かせください。 柳川氏:ファイナンス(finance)とテクノロジー(technology)の組み合わせによる造語で、金融やファイナンスを変える技術になります。考えてみると、技術が金融のサービスをより良くしてきたのは今に始まったことではありません。例えば、ATMは物凄く