「テキサス・チェーンソー・ビギニング」に驚いた。すごい作品じゃないか。 前作「テキサス・チェーンソー」が及第点程度だったために、ずっと見るのを忘れていた。だって今度は「レザー・フェイス出生の秘密がついに明らかに」だもん。もう野暮の極み。そんなの別に知りたくもねえよと放置していたのだ。 だがこれがうれしくなるほどサディスティック。病的。なんとも救いようのない内容。もうずっと「そうそう、これこそがテキサスチェーンソー大虐殺だよねえ」とぞくぞくしてしまった。 もうすぐ公開になるアカデミー賞作品賞の「ノーカントリー」の原作「血と暴力の国」(わかりやすいタイトル)を読んでいるけれど、これもまた異様な小説で、私が好きなテキサスのフレーバーがぷんぷん漂ってきて濡れる。 「テキチェン・ビギニング」には、前作に欠けていたサムシングがある。最初から最後まで途切れないアナーキーな磁力である。 人間の自由意志への