今から10年ほど前、私が勤務していた「A病院」での出来事です。 脳血管障害や高齢の患者さんは、誤嚥を起こすことがよくあります。 そのため、嚥下訓練はリハビリの中でも重要な位置を占めています。 摂食・嚥下リハビリの専門職としては、言語聴覚士(ST)が代表的。 ところが、当時A病院にはSTが在籍していませんでした。 今回は、STの募集を巡る病院経営者や医師との不毛なバトルを前・後編に渡って綴りたいと思います。 《スポンサーリンク》 1.嚥下訓練の算定要件 2.ST募集に動き出す 3.稟議書の作成 4.待ち人来らず 1.嚥下訓練の算定要件 診療報酬には、『摂食機能療法』という算定項目があります。 医師・歯科医師の指示の下に、ST・看護師・准看護師・歯科衛生士・理学療法士(PT)・作業療法士(OT)が行う場合に算定できるとされています。 摂食機能療法、すなわち嚥下障害に対するリハビリ(以下、嚥下訓