近藤一博(ウイルス学・免疫学) 人はなぜ疲れるのか?この身近な疑問の正体と疲労の知られざるメカニズムを探る。 「疲労の正体」とそれにまつわるウイルスの研究で世界的に注目されているのが、慈恵医科大学ウイルス学講座の近藤一博教授。 近藤教授は疲労感や欝や不眠、過眠などの症状を伴う病、慢性疲労症候群の原因が人間を自然宿主とするウイルスHHV−6(ヒトヘルペスウイルス6)の再活性化によって引き起こされていることを世界ではじめて突き止めたウイルス学者。 HHV−6は人間のすべてが幼児期に感染、その後脳内などに潜伏し、ヒトになんの害も与えないと考えられていた。この発見によって、HHV−6が疲労と密接な関係のあることがわかり、そこから近藤教授は疲労物質そのものも世界に先駆けて発見した。 さらに、HHV−6の持つ特有の遺伝子とウツ病との関連性も発見し、疲労が及ぼす心の病への影響を解明した。 いま