前回はESBが誕生してきた背景を振り返り、アプリケーション統合の変遷を主にトポロジの観点から説明しました。部門ごとに個別に構築されてきたアプリケーションシステムを効果的な方法で統合する重要性を増しています。今回はこのトポロジの議論からいったん離れ、アプリケーション統合の機能の面からESBについて考察します。 ここ数年、SOAがこれほどまでに注目を集めているのは、現在の情報システムが抱える課題や問題に対する切り札として期待されているためです。なぜならビジネスを支える情報システムを効果的かつ効率的に構築することは、IT部門が常に目指してきた課題であり目標だったからです。 それに加えて、ビジネス要件が急激に変化する今日のビジネス環境においては、ビジネス要件の変化に情報システムをいち早く対応させることもますます強く求められるようになっています。そこには、以下にあげるような多種多様な動機があります。