マイニングツール,Coinhiveをサイトに設置し,閲覧者にツールを実行させていたことについて,不正指令電磁的記録保管罪の成否が問題となった事件(控訴審係属中)。 事案の概要 X(被告人)は,サイトaを運営していたが,その維持管理費用をまかなうために,サイト閲覧者に仮想通貨のマイニングを行わせ,そこから得られる収益を得るモデルがあることを知った。そこでXは,マイニングスクリプトを自己のウェブサイトのHTML内に記述した。 本件の公訴事実は,おおよそ,「サイト閲覧者の同意を得ることなく,閲覧者の電子計算機にマイニングの演算を行わせる不正指令電磁的記録であるプログラムコードをサイトaを構成するファイル内に蔵置して保管し,もって人が電子計算機を使用するに際してその意図に反するべき不正な指令を与える電磁的記録を保管した」というものである。 ここで取り上げる争点 本件プログラムコードの不正指令電磁的