ハニフェスにおいてどんな恐ろしい事態が起こったか。 一記録者として会場に居合わせたわたしの意見を交えつつ、その真相を探る。 恐怖について まず、恐怖というものについてすこし触れておきたい。 ネットにおける恐怖とはひとつに、自意識をすり減らすことである。自意識の破壊ではない。破壊されたものは消え去ってしまう。そこにはがらんとした空きスペースができるだけである。空虚さには絶望はあっても恐怖はない。恐怖とは地獄のことだ。えんえんとつづく、自意識の摩耗のことだ。つまりは自意識を摩耗させる相手こそが真に恐ろしい。あなたの自意識という病んだ歯をスチールのブラシでしつこく擦るようにして削りとっていく相手こそが、ほんとうに恐ろしい。 ハニフェスの当日、こういった恐怖についてはだれも予想していなかった。すくなくとも、わたしはそんな気配を感じることはできなかった。 会場そのものの冷気のなかで(12月半ばとなれ