「ぬるいオレ」気付いた 話し相手から、決して目をそらさない。威圧的ではないのに、射すくめられそうになる。人気アイドルの自信の表れとも思えたが、本人は至って謙虚だ。 ボクサー役が決まり、自ら志願してボクシングジムに通った。それも「練習生と同じ内容を」と、縄跳びにシャドーボクシング、サンドバッグ打ちから、ぞうきんがけまで。スパーリングでは、実際に打たれる痛みを味わった。「演じるために、つらさもきちんと経験しておきたかったから」 ジムで接したボクサーたちは、くよくよせず楽天的だった。ひるがえって、ステージで歌詞や振りを間違えると、引きずってしまう自分。「前に進むためには、切り捨てることも必要」と気付かされた。ボクサーたちは、ただ勝つことだけを考えて血のにじむトレーニングに耐える。努力を重ねる彼らを見て思った。「ぬるいな、オレ」 ドラマは、根性なしのボクサーが、恋の力で減量や練習に真剣に取り組む