地球を観測する衛星、と言えばお馴染みなのは光学衛星。「Google Earth」のように、私たち人間の目で見える可視光で観測するため、何がどこにあるか一目瞭然で分かりやすい。 ただ光学衛星には難点がある。夜は観測できないこと、そして雲に覆われると地表が見えないことだ。1日のうち半分は夜だし、昼でも雲に覆われる確率は50%を超えるといわれている。この課題を解決するのがレーダーを使ったSAR(合成開口レーダー)衛星だ。 SAR衛星はマイクロ波を使い、雲を通過して地表面を観測できる。また衛星から地表に照射し返ってきたマイクロ波を受信するので、夜間でも観測可能。つまり昼夜、天候問わず観測できるのだ。 今、世界は「小型SAR衛星黎明期」にある。アメリカ・シリコンバレーのカペラスペース(Capella Space)、フィンランドのアイサイ(ICEYE)が、2018年、相次いで技術実証機を打ち上げた。