小松左京は、十代の頃、自ら太平洋戦争を経験し、戦争の残虐性、愚かさを心から嫌悪していました。 そして、物語を通じ戦争の悲惨さを伝え、けっして繰り返すべきでないと警鐘を鳴らし続けました。 「廃墟の星にて」は、米ソ冷戦により、人類が核戦争で滅んでしまうことが絵空事ではなかった1971年に発表されたものです。 非常に短い作品ですが、小松左京の戦争回避への切なる願いが込められた一遍です。 半世紀前の全面核戦争の危機が蘇るかのような、緊迫した事態が世界各地で勃発しています。 物語をお読みいただき、平和の尊さに改めて想いを馳せていただければ幸いです。