【写真上】切り立った岩山の間に位置するマアルーラ。丘の上のホテルにイスラム過激派ヌスラ戦線が陣取り、岩陰に多数の狙撃手が配されているという=9月26日、村山祐介撮影【写真下】2010年10月4日当時のホテル=貫洞欣寛撮影 【村山祐介=アインティナ〈シリア南部〉、貫洞欣寛】イエス・キリストが使ったとされる古語アラム語が残るシリア南部の古都マアルーラで、アルカイダ系イスラム過激派が一部を占拠し続けている。激しい戦闘で住民は離散を迫られ、古語の消滅や史跡の損傷が懸念されている。 「救援物資を運ぶ車が40メートル先まで来たのに、たどり着けませんでした。電気は途絶え、水が足りません」。市内にある聖タクラ修道院に残留する修道女(58)が9月30日、電話で力なく語った。 ■孤児ら修道院に 修道院から直線距離で約100メートルの場所にある山上のホテルには、アルカイダ系イスラム過激派ヌスラ戦線を主力と