2012年9月に中東で見つかった重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た症状を引きおこす新型ウィルスが、ヒトからヒトへ感染する疑いが濃厚になっている。 イギリスでは父子間で伝染したと見られる症例が出ている。英当局は現在のところ拡大の危険はないとしているが、専門家はパンデミックの可能性も指摘している。 11の症例中、5人が犠牲に 問題の新型ウィルスは2012年9月に中東で見つかり、世界保健機構(WHO、ジュネーブ)が注意を呼びかけていた。2003年に猛威をふるい数百人の死者を出したSARSウィルスと同属の「コロナウィルス」で、肺のほか腎臓にも障害を引き起こすとされる。全世界で11の症例が確認されていて、このうち死亡したのは5例ある。 これまで、感染源は動物からと見られていて「ヒト―ヒト感染」は確認されてこなかった。 今回、イギリスで見つかったとされているのは、父から息子への「ヒト―ヒト感染」だ