米中冷戦が激化とともに、日本の方向性について国論分裂を筆者が予想 日本が米中の間をとりもって衝突回避を主張する田中均氏の論考を検証 2000年代初頭の「中国穏健化」の見通しは頓挫。学者らの共通理解なし 日本が直面する「強烈なジレンマ」 「米中冷戦が激しくなる中で、日本は近い将来に、国の進むべき方向について国論が分裂するような事態に見舞われる」……私はそのように考えている。 なぜなら、日本は国家レベルで強烈な「ジレンマ」に直面するはずだからだ。 ところが、その「ジレンマ」が具体的にどのようなものになるのか、実は外交のプロと呼ばれる人々や専門家たちの中でも、そこまでハッキリと言及している人はいない。 ただしこの事実は、国際政治や外交、それに安全保障全般に関心のある人々であれば、薄々感づいていることではある。本稿ではこの「ジレンマ」が一体どのようなものになるのかという議論を、ある雑誌に最近掲載さ
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