1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災の報道写真の中に、捏造や改ざんされたものが数多くあることが、東京都復興記念館(東京・両国)と共同通信社の過去5年間の調査で明らかになった。東京・本所の陸軍被服廠跡とされる写真や摂政宮(後の昭和天皇)が巡視される写真などが含まれ、国内外の論文や著作に引用されてきた。 遺体が積み重なる被服廠跡の写真を載せた新聞社が、警察当局から発禁処分を受けたため、遺体が写っていない捏造写真が出回ったとみられる。 被服廠跡には、周辺住民数万人が避難した。間もなく火災旋風が群衆を襲い約3万8000人が死亡。猛火に包まれる前に撮影したとされたのが「被服廠跡惨事直前写真」だ。 ところが、調査の結果、皇居前広場の避難者の写真を加工したものだと判明した。基になったのは報知新聞が皇居前広場を撮った3枚組みの写真。このうち右端の写真に誰かが手を加え、背景の皇居を炎と煙に描き