最大のたんぱく質の構造解明 感染症・がん新薬に期待2009年1月16日6時12分印刷ソーシャルブックマーク 構造が分かった巨大たんぱく質のイメージ図=兵庫県立大提供 兵庫県立大、大阪大のグループは、生物の細胞内で最大のたんぱく質「ボルト」の構造を大型放射光施設スプリング8(兵庫県佐用町)で解明した。ボルトは細菌に対する免疫や、抗がん剤が効かなくなる仕組みに関係しており、治療薬の開発に応用が期待される。16日付の米科学誌サイエンスで発表する。 ボルトは1986年にネズミの肝臓から発見されたラグビー型の輪郭をもつたんぱく質。脊椎(せきつい)動物などの細胞内にある。分子量は一般的なたんぱく質の100〜1千倍ほどにあたる約1千万で、知られている細胞内のたんぱく質としては最大で、詳しい形はなぞだった。 兵庫県立大の月原冨武特任教授らは、スプリング8の非常に強いX線を1分間あてることで構造を解明した。