「天に守られている大蒙古国の皇帝から日本国王にこの手紙を送る.昔から国境が接している隣国同士は,たとえ小国であっても貿易や人の行きなど,互いに仲良くすることに努めてきた.まして,大蒙古皇帝は天からの命によって大領土を支配してきたものであり,はるか遠方の国々も,代々の皇帝を恐れうやまって家来になっている. 例えば私が皇帝になってからも,高麗(こうらい=朝鮮)が蒙古に降伏して家来の国となり,私と王は父子の関係のようになり,喜ばしいこととなった.高麗は私の東の領土である.しかし,日本は昔から高麗と仲良くし,中国とも貿易していたにもかかわらず,一通の手紙を大蒙古皇帝に出すでもなく,国交をもとうとしないのはどういうわけか?日本が我々のことを知らないとすると,困ったことなので,特に使いを送りこの国書を通じて私の気持ちを伝えよう. これから日本と大蒙古国とは,国と国の交わりをして仲良くしていこうではない