三洋電機が同じトップオープンドラム式洗濯乾燥機で、事実上5回目のリコール(無償点検・修理)を実施する。対象9機種のうち4機種については新商品と交換するという異例の措置だ。同社は「想定外の事故」と釈明するが、製品の安全性への信頼は大きく傷ついた。パナソニックによる子会社化を前に巨額の経費負担が生じ、白物家電の事業再編が浮上する可能性もある。 会見した三洋の有馬秀俊取締役らの表情は終始、苦渋に満ちていた。「ヒューマンエラーをいかに吸収するか検討してきたが、もっと突っ込んだ点検が必要だった」。なぜ事故の再発を防げなかったのかという問いに、有馬取締役はそう答えるのがやっとだった。 3日に茨城県で発生した事故は、洗濯機内側のリード線の修理ミスに「想定外の場所の発熱」が重なったという。修理の状態を写真などで確認していながら、発火を予想できなかった。 希望退職を募るなど経営構造改革を進める同社にと