江戸しぐさって、「現代では忘れられた江戸時代のマナー」みたいな設定だったわけでしょ。まあそういうのを芝三光というおっちゃんがもっともらしく語ってむにゃむにゃやってたわけだ。「江戸時代の人はね」って。こんなのってあんまし実証性とか考えてないよね。100年以上前のことだし、「いい話」だし、うやむやでもおっちゃんがもっともらしく語れば、話を聞きに来る人は「ほうほう、なるほどねえ~。現代人もこういう事をすればいいんだねえ」って納得しちゃうもん。こういうのは聞き手がわざわざ「嘘だ」と思って聞きに来るわけじゃねえからな。 そこに弟子入りしたのが、なんか公民権運動のノンフィクションで賞とかとった越川禮子氏。多分この人頭いいもんで「これ、細かいとこ突っ込まれたらやばい」と思ったんだろうね。だって江戸しぐさっていかにも日常のちょっとした所作なんだよね。文献やそれを伝えた江戸講なるものが廃れて失われたと言って