「どのような危険があるか、あらかじめ見通せるような気象条件のときは、自主的に判断していかなければならない」。猛烈な風と高潮により未曾有の台風被害となった近畿地方。トラックが強風によって横転するなどのリスクを目の当たりにし、「他人事ではない」と判断した事業者ら。彼らからは、運行を取りやめる権限のための環境が実質的あるいは法的に整っていない現状を憂える声が多く聞かれる。「こうした気象災害は、またやって来る」との認識も、これらの事業者には共通しており、「当日は荷物を預かれません」と言い切るための準備を始めている。 近畿北部に位置するトラック事業者。猛烈な風を伴う台風21号の進行速度が増し、このあたりは4日午後3時ごろに風速がピークになるとされていた。「ちょっと、この状況で、荷主が操業しているというのはどうも」。困ったような様子で、事業者は午後1時頃話した。翌日は天気が回復するというので、取引先が