非常勤講師の平均年収は教授クラスの約5分の1程度と驚くほど低く、さらに大学側から理由不明の「雇い止め」に遭う例もある。そんな非常勤講師たちの現状を、首都圏大学非常勤講師組合の副委員長の松村比奈子氏(専門は憲法学)に伺った。 まず松村氏は、大学教員の年収の格差を次のように話す。 「教壇に立って講義し、テストの作成や採点、さらに卒論の指導など、教員としての仕事内容は同じですが、年収の格差が実にはなはだしいです。早稲田大学では1500万円と聞いているのに対して、国公立での平均は約900万円で、地方の私立では400万円というところもあります。一方、非常勤は専任教員と同じ数の講義を担当したとしても、年収は150万円から200万円です」 なぜ非常勤講師の年収が低いかと言えば、講義のコマ数で給与が決まるからだという。 「一コマ(90分授業)が2万~3万円。以前は、交通費の出ない大学もありました」 そのた