新型コロナウイルスの感染が拡大する中、北海道はことし2月に独自に「緊急事態」を宣言しましたが、治療拠点の1つとなった札幌市の病院の院長がNHKの取材に応じ、「病院が機能不全に陥る “医療崩壊” の危機に直面していた」と当時を振り返りました。 向井院長は新たな感染者が19人相次いで入院してきた2月28日から先月18日にかけての状況を、「院内で想定外の事態が相次ぎ、いわゆる “医療崩壊” の危機に直面していた」と振り返りました。 想定外の1つは、ウイルスが漏れ出さないように気圧を低くした感染症対応の病室で、重症の患者に人工呼吸器をつけるため「気管挿管」をした際に呼吸できない状態に陥ったケースでした。 向井院長は「病室が乾燥しやすかったのが原因で、たんが非常に固くなってチューブが詰まった。手術で気管を開いて患者は幸い良くなったが、感染症病棟では重症の感染者を診るのは不可能だと分かった」と話しまし