弐瓶勉は日本の漫画界でもかなりの異端といえる作家だろう。記号化されたキャラクターとダイアログ、そしてコマ割りによるダイナミズムを得意とする日本の漫画の中で、彼の初期作品は寡黙なキャラクター、重厚に書き込まれた背景、動きが感じられない画面構成で特徴づけられる。近年、アニメ化された「シドニアの騎士」は以前に比べて日本の漫画らしいキャラクター、ダイナミズム、ヒロイズムが取り入れられているが、今回の劇場版アニメの原作となった「BLAME! 」は弐瓶のデビュー作にあたり、一般的な漫画読者を拒絶するような魅力を持っている。 ほとんど喋らない主人公、起伏に欠くエピソード、巨大構造物に異様に執着した書き込みといった「BLAME!」の特徴は、日本の漫画よりもバンドデシネなどと比較する方が適切だ。このようにマニアックな本作が劇場版アニメとなったのは、ひとえにアニメ版「シドニアの騎士」のヒットが理由だろう。ポリ
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