STAP騒動は、理化学研究所のみならず、わが国のアカデミア全体に本質的な問いを投げかけている。この問題で数々の取材を受けてきた改革委員会委員が、自らの言葉で思いを綴る。 今回のSTAP細胞事件は、多くの日本の代表的大学病院を巻き込んだ降圧剤ディオバンをめぐる不正事件などとは異なり、たった一人の若い研究者による研究不正だった。にもかかわらず、メディアの騒ぎようは異常ではないか。こういった見方は当初よりあった。 筆者も問題の根の深さとなると、虎の子のデータの解析を、利益相反も甚だしいノバルティス社の社員に丸投げし、それを「是」としていた数多くの医学部教授の存在とその存続の方が、わが国全体の研究者の倫理観という点では、はるかに深刻と考える一人だ。 STAP細胞事件のメディアの扱いの原因には、『Nature』という注目される雑誌に掲載されたことに加え、最初の華々しい記者発表や、「リケジョ」という珍
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