子供らが近所の家をめぐって菓子をもらう欧米発祥の行事「ハロウィーン」本番の31日、指定暴力団山口組が、神戸市灘区の総本部で子供らに菓子を手渡した。近隣住民の懐柔が目的とみられる毎年恒例の行事。兵庫県警は「暴力団排除の機運に逆行する動きだ」と懸念を示している。 菓子の配布は、午後4時過ぎから総本部内に設置されたテントで実施。カボチャの帽子をかぶった組員らが並び、「ハッピーハロウィーン」と呼びかけながら、机の上に積んだ駄菓子入りの袋を子供らに手渡した。周辺では県警の捜査員が警戒したが、トラブルはなかった。 山口組と対立抗争状態にある指定暴力団神戸山口組をめぐっては、同県淡路市の本部事務所の周辺住民が退去を求める運動を展開。代理訴訟制度に基づき、住民の委託を受けた公益財団法人「暴力団追放兵庫県民センター」が神戸地裁に事務所の使用差し止めを求める仮処分を申し立て、地裁は31日、使用禁止の仮処分を決