全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)とNTTデータが「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」のシステム障害に関して2023年12月1日に共同会見を開催した。ここではシステム開発の観点で2つの重要な事実が新たに判明した。 1つは、各金融機関から他行宛ての送金時に中継コンピューター(RC)が参照する「金融機関名テーブル」やそのテーブルの参照を高速化する3種類の「インデックステーブル」がメモリーへの展開時、所定の作業領域からオーバーフローして破損したこと。もう1つは、詳細設計書では4種類のテーブルを同時に展開できるだけの作業領域を確保することを求めていたが、プログラマーやレビュアーなどの関係者がいずれもその記述を見落とし、これが上述のオーバーフローを招いたという痛恨のミスだ。 全銀ネットとNTTデータは会見で原因の詳細とともに、開発工程における課題と再発防止策を発表した。果たしてこれ