京都市中京区の食肉卸会社「牛若商事」が、京都産和牛と偽って別の牛肉を大津市のホテルに納入していたことが28日、同社などへの取材で分かった。偽装した肉は、本来の京都産和牛より高級な近江牛で、1キロ当たり3千~5千円の損失になっていたという。同社は牛トレーサビリティ法違反の疑いがあるとして近畿農政局に自主申告した。 同社などによると、3月8日、近江牛のロース肉11・8キロに、京都産和牛を示す個体識別番号のシールを貼り付け大津市のホテルに納入した。肉はホテルで客18人に提供された。近江牛と京都の肉を食べ比べる企画での提供で、偽装により全て近江牛となった。 発注業務を担当するホテル運営会社が指摘し偽装が発覚。ホテル側は同社との取引を停止し、客に謝罪した。牛若商事の中嶋武男社長室長は「当時、京都産の在庫がなく、担当者が『上質なもので補えば大丈夫だろう』と安易に考えて行った」と説明している。 ▼世界一