衣笠選手追悼の思いを込めて再読してみた。さすがに高橋慶彦だけをモチーフに連作短編集を仕上げるのはちょっと苦しかったかなって気がしないでもないけど(龍さんの本は完成度に波があるからね…)、とても興味深かったのは、いくつかの作品から、この後龍さんが描く名作群の萌芽みたいなものが垣間見えたこと。この直後に書かれた『69』につながる青春ものあり、『昭和歌謡大全集』みたいなオバサン仲間物あり。わりとほのぼの&軽妙な雰囲気のお話が多いなか、異彩を放ってたPART6『調書を全部何回読んでも、わからんことがある、どうしてお前はあの女を殺さなかったんだ?』は『ミソスープ』&『共生虫』だよね。そして、ラストのPART11のおじいちゃんはもしかして最新作『オールドテロリスト』につながってる? ホモとかブスとか今ではちょっと使えないワードが結構出てきて、当時は気にせず読み飛ばしていたけど、今となっては、読んでるこ
![『走れ! タカハシ (講談社文庫)』(村上龍)の感想(66レビュー) - ブクログ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0751707f850c38376409eff80d607443bd64dc84/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41TOLDGWg1L._SL500_.jpg)