「今年のカンヌをひとことでいうと?」 「2012年の潮流は?」 と、カンヌから帰ってくるとよく訊かれます。 でも今回は「2012年のカンヌ」でなく、もっと普遍的に「カンヌは一体何を評価しているのか?」という視点から、今年の受賞作をまとめてみようと思います。 カンヌにかかわらず、審査委員たちが審査中によく言う言葉があります。 「これをブックに載せていいのか?」 「ブック」とは受賞作が載っている年鑑のようなもの。 審査員にとって「ブック」は、その広告賞のクオリティを決めるものであると同時に、広告産業の歴史に残すものという認識があります。 つまり、「広告の歴史の教科書に乗せてもいいか?」といった意識で審査しているのだと思います。 歴史の教科書に載せるべきものとは一体何でしょうか。 単に面白い広告や、単に成功したありがちなキャンペーンじゃ、教科書に載せるには値しませんよね。 僕は、以下の5つだと思