“目は1分でよくなる!”“《塩と水》だけであらゆる病気が癒え、若返る”“がんに勝つレシピ”“医者に頼らなくてもがんは消える”……書店やAmazonで目を引く場所には、このようなタイトルの、いわゆる「健康本」がずらりと並んでいる。 これらには医師などの専門家から「科学的根拠が疑わしい」と批判の声も多い。特に、“医者に頼らなくてもがんは消える”のように医療を否定・批判する本は、それを読んだ患者が適切な受診機会を逃し、命に関わる可能性もある。 このような健康本について、出版業界の「中の人」は、実際のところ、どう思っているのだろう。複数の出版関係者に話を聞くと、変わりゆく出版業界の姿が浮かび上がってきた。【BuzzFeed News Medical / 朽木誠一郎】 健康本を作っているのは、どんな人なのか。例えば、Aさんは何冊か健康本を執筆した経験のある、50代の男性。理系ジャンルが専門のライター