JRAの降着・失格新ルールを再検証、最大の弊害は『初めにセーフありき』の意識の蔓延か(写真は安田記念) 【写真:中原義史】 導入されて約6カ月が経過したJRAの降着・失格のルール(判断基準)。僅か6カ月に過ぎないが、いろいろと不自然に感じられる事例も起きており、現段階での再検証を試み、また今後の課題点なども考察してみたい。 まず、ルール変更の経緯、その詳細についてのおさらいから。 07年にIFHA(国際競馬統括機関連盟)が設置した『裁決事項の調和に関する委員会』では、ルールの国際協調を目的に「シンプルでわかりやすく、より合理的」な基準の導入を目指して検討されてきました。JRAもそれに賛同する形で検討が重ねられ、いよいよ今年の1月から導入、という運びになったわけです。 具体的には、世界的な基準として2種類あるカテゴリーIとII。昨年まで採用していたカテゴリーIIを、今年からカテゴリーIに変更