黒田次郎(日本体育大学スポーツ局スポーツ専門職) 「高校から即、プロ野球に入るのは間違っているのですか?」 ドラフトも終了し、オフシーズンへと入ったプロ野球界で今年6月に発表された、ある論文が球界に波紋を広げている。その論文とは日本運動・スポーツ科学学会で発表された「日本プロ野球のドラフト制度に関する研究」(ドラフト制発足の65年から03年までの資料に基づく)。プロ入りした高卒選手の約3割が一軍試合未経験で引退。さらに73%が投手なら3勝、野手なら72安打以下で引退という衝撃的な内容だ。日本体育大学スポーツ局に勤務する著者の黒田次郎氏に話を聞いた。 ●希望枠でさらに短く ――なぜここまで高卒の選手が活躍できないのですか? 「いろいろな要因がありますね。まず高卒選手は主に育成目的で選ばれますが、今はその育成が重視されなくなってきているということがあります。論文中では“一軍試合経