非常に緻密な議論を自信満々に繰り広げる盛山和夫が「社会学」そのものに挑む! これだけで社会学をそれなりに追ってきていた者としては興味深いものなのですが、まさに期待通りの出来。デュルケムからジンメル、パーソンズ、ルーマンといったビッグネームをバッサバッサと斬っていきます。 「社会学とは何か」が問題となる。それはなぜか? ある意味で理由は単純だ。さきにみたように、あまりにさまざまな社会学がありすぎるのである。たとえば、介護問題に関して高齢者にインタビューすることとルーマンの抽象的で解読困難な分厚い本を読むことと、いったいどこでつながっているのだろうか。(245p) このようにその発展と共に拡大を続け同時にその学問としてのアイデンティティが希薄になっている社会学、例えば、同じ社会科学である経済学などと比べると、研究対象、方法論とも曖昧としか言いようがありません。 「社会はいかにして可能か?」「秩