ところが、「環境はどんどん悪くなっている。将来は不安だ」という煽りに乗せられると、被害者意識が強くなり、犯人探しに走ってしまう。そうなると、自分のキャリアを考える余裕もなくなってしまうのだ。 僕は、外部環境というものは基本的に“行ってこい”でチャラになると思っている。いつの時代もいいこともあれば悪いこともある。同時に異なる時空間で生きることはできないので、実際にそうなのかどうかはわからない。でも、そう考えておいたほうが精神的には健康だ。犯人探しに貴重な時間を奪われなくて済む。 これからのキャリアを考える際には、気持ちをニュートラルな状態に持っていくことが大切だ。そのために、まず自分が置かれた環境を時間軸、空間軸で相対的にとらえ直すことから始めたい。 空間軸は、ほかの国と比べることで相対化できる。ただし、中国が伸びているとか、サムスンの利益がどうだという視点で比べても意味はない。大切なのは、