眠るという行為にはどうしてもサボる・不謹慎といったマイナスイメージが付きまとうようだが、はたしてそれは正しいのだろうか。眠りとは、自分が生産的であり続けるための創造的行為なのだと、今こそ声高らかに叫びたい。そんな私の心境に科学的見地から応えてくれる一冊が見つかった。 睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があることは広く知られている。レム睡眠というのは、閉じたまぶたの下で眼球が素早くきょろきょろと動く「急速眼球運動(REM=Rapid Eye Movement)」を伴う。体はぐったりしているが、脳波覚醒に近い状態になっていて夢を見ていることが多い。対するノンレム睡眠は、いわゆる安らかにぐっすりと眠る睡眠である。 ヒトが2種類の眠りを併せ持つ起源、それは生物進化の過程と深いかかわりがある。 レム睡眠はもともと古い型の眠りであると考えられている。大脳皮質があまり発達していなかった冷血動物(変温