「自由は市場原理主義となり、結果として、日本では雇用が悪化したという現実がある」――。訪米中の鳩山由紀夫首相は25日、ピッツバーグでのG20首脳会議(金融サミット)で、持論の市場原理主義批判を展開した。日本の政府高官が明らかにした。 鳩山氏は会議で、「雇用なき景気回復になれば、何のための回復か、ということになる」とも述べたという。「雇用なき回復」は90年代初めの米国で景気回復下でも失業率が高止まりしていた状況を指すことが多いが、自民党政権下での非正規雇用拡大に頼った景気回復を念頭に置いた発言ともとれる。 さらに鳩山氏は「自由と平等の橋渡し、そして友愛を進めることが(政治の)重要な役割だ」と発言。経済政策における「友愛」精神の重要性を説いた。(ピッツバーグ=鯨岡仁)