だいたい経済学って小難しい上に退屈なのである。ミクロ理論は現実からかけ離れたモデルの上に成り立ち、マクロ理論は話が大き過ぎてピンとこない。似たような数式やグラフを使って正反対のことを語る人々がいるし。経済を理解するための道具が経済を予測したり影響を与えたかの実利で評価されていたり。分かりようのないことも分かりきったこととして竹を割ったように語り、人口に膾炙する説教に乗せてくれないと分かった気になってもらえない。そして残尿感のある話なんか、政治家もマスコミも大衆も最初から求めていない。 企業経営者に経営の心得を説いたり、大衆にモラルを説教したりする経済学者は、仮に自由主義を標榜していても、経済社会を支える人間の精神改造を夢見る点で、実は心情的に宗教家、ないしは共産主義者にかなり近いのではないだろうか。 (略) 国民の経済への理解を高めるのももちろん重要だが、それよりもまず、専門家たちの知的退