音楽販売の世界では、この10年の間に顧客行動ががらりと様変わりした。CDショップに足繁く通うような音楽ファンはめっきり減った一方で、PCや携帯電話からクリック1つでCDが買えるインターネット通販や、楽曲をダウンロードしたあと直ちにiPodや携帯電話などのプレーヤーに取り込めるデジタル楽曲販売の利用が広く定着することとなった。そうしたなか、従来の音楽CDは年々売れなくなり、販売会社の淘汰が進み始めている。そうした厳しい環境にある業界で勝ち残るために、徹底した顧客志向のマーケティングを展開しているのが、英国発祥のCD/DVD小売りチェーン、HMVジャパンである。10年前に始めたEコマース事業を核に、顧客ひとりひとりの嗜好にマッチした商品提案を実現するパーソナライゼーションに磨きをかける同社。その取り組みを通して、ITマーケティングの神髄に迫ってみたい。 CIO Magazine編集部 ● te