90年代後半からイタリア代表を支えたカンナバーロ(左端)とネスタ(下)は、サッカー史のなかでも最強クラスの堅牢を誇った。 (C) Getty Images 画像を見る 先ほど、FIFA(国際サッカー連盟)/FIFPro(国際プロサッカー選手会)ベストイレブンのポジションごとの候補者が発表されたが、DF部門においてノミネートされた20名のなかにイタリア人の名前はなかった。 堅守で輝かしい歴史と伝統を創り上げ、数々の歴史に残る守備のスーパースターを輩出してきたカルチョの国は、いったいどうしてしまったのだろうか。 ライバル国にお株を奪われることになった原因を、ここではCBというポジションに絞って検証してみた。 文:片野 道郎 ――◆――◆―― 1990年代までのイタリアは、文字通りの“CB王国”だった。 50年代生まれのジェンティーレ、シレーア、ヴィエルコウッド、60年代生まれのベルゴミ、バレー