何か、そろそろ復活しそうな世情になってきたなぁという感想。 「20世紀の歴史 Vol.89 日中戦争2」、1975年11月5日発行 「赤マント」の怪 1939年(昭和14)春、東京の子供たちのあいだでは、「赤マントの傴僂男」の話がもちきりであった。 「−赤いマントを着た傴僂の男が夜になると出て来るんですって。そして夜、歩いている子供を見るとつかまえて血をすするんですって・・・。 −小学校三年と四年と五年の女子の血をすするとライ病(ハンセン氏病)が治るんだって。あら本当よ。学校の先生も本当だっていってたわよ。恐いわ」といった子供たちの会話があちこちで聞かれるようになった。この話題は、女学生や中学生にもひろがり、さらには東京の全市民が、まるで呪文でもかけられたように「赤マント」流言にまどわされた。 「赤マント」流言の内容は「赤マント」が生胆を狙っているとか、その赤マントが相手にするのは処女に限